妊婦さんからしたら何よりも恐ろしくて悩ましい事は、「流産」だと思います。流産は、その大部分が、妊娠4ヶ月(妊娠15週)以内の妊娠初期に生じると考えられています。
現実的には、流産は妊娠している女性トータルのおおよそ15%の割合において発生し、これらのうち、妊娠12週以内の流産は、流産した女性の80%を上回ります。今回の記事では、妊娠初期の流産の可能性や防止法など、気をつけたい事を記載しましたので是非最後までご覧くださいね。
1.妊娠初期で流産が起こる確率
流産というのは、妊娠の早い時期に赤ん坊が死亡してしまうことを意味し、妊娠22週前に妊娠が終わってしまう事を全て「流産」を意味します。さらに、妊娠12週以内の流産を「初期流産」あるいは「早期流産」と言われています。流産はダントツで妊娠初期にほとんどを占め、妊娠12週までの流産が全体の98%になるとのことです。
おおむね、流産は妊娠全体のおおよそ8から15%の割合で発生するとされていることから、妊婦さん12~13人の中のうち1人は流産してしまうことになるのです。
2.年齢を重ねるにつれて危険性は高くなる
妊娠初期の流産の可能性は、歳の影響でも違ってきます。だいたいすべての妊娠のおおよそ15%の比率で流産が発生しますけども、妊婦さんの年齢ごとにみれば、35歳を上回るとその可能性が上がってしまいます。数字で言うと、35~39歳だと20%、そして40歳を超えると40%以上と、流産の可能性が上がってしまうのです。
このように年齢が進むにしたがって流産の可能性が上昇する背景にあるのは、流産が発生する原因のおおよそ60%が、胎児の染色体のトラブルなんですが、この危険性が年齢につれて上昇するのが理由です。35歳を超えてからの妊娠であるとすれば、産婦人科の協力も併せて、注意深く過程を見ていくことが重要になります。
3.初期流産になる原因
初期流産をもたらす原因の50~60%は、突発的に生じる胎児の染色体のトラブルに影響を受けたもので、原則的には胎児側のトラブルが元だと考えられています。生活スタイルとか妊娠している間の過ごし方などを、自分で責める妊婦さんもいらっしゃいますが、仕事とか運動も併せて、食事内容だったり生活スタイルが、流産を招く原因になってしまう事は数少ないです。
染色体のトラブルに関しては、胎内に問題があるということはなく、受精のタイミングで、すでに流産するのが決まっている確率が高いと言われています。胎児の染色体のトラブル以外に、子宮のトラブル、黄体機能不全、糖尿病等のような内分泌のトラブル、抵抗力の低下、精子の不調が流産の要因となります。さらに、胎児が成長をしない「不育症」も流産をもたらす原因の一個です。
4.流産してしまった時の心構え
流産をしてしまった場合、私が悪いからだと気分が沈んだり、再び妊娠はもう出来ないのかと途方に暮れたりしてしまう女性もたくさんいますが、そのような事は無いでしょう。妊娠初期の流産はとりわけ、胎児側のトラブルがほとんどなので、そんなに自分自身を責めすぎ無いように注意しましょう。
妊娠初期の流産のほとんどの場合は、少しの出血とか腹部のハリ、腹痛等といったトラブルが発生して、病院で診察したら、胎児の心拍が無かったことがわかったといった場合になります。妊娠初期の胎児はとても小さいことから、少しの出血が流産になっていると気づかないのです。とりわけ妊娠のひと月目は、妊娠の自覚もほとんど見られない時期なので、基礎体温を計測していないと、妊娠していると思っていない女の人も少なくありません。
この段階で、それほど痛さも無く流産した場合、気が付けば流産してしまったという事もあるようです。流産の前兆については人それぞれですが、不正出血、あるいは腹痛とか腹部の張りなどを繰り返すようであれば、早いうちに産婦人科の診察を受けるようにしてください。
5.流産の種類
妊娠初期に限ったことではなく、流産は以下の様なタイプに区分され、異なる手術とかケアの方法が存在します。
①切迫流産
流産の確率が上昇している局面の事を切迫流産と呼びます。まだ流産が生じている訳じゃないことから、改善策については、静かにして経過を見守るというのが一般的です。
②稽留流産
受精卵とか胎児が、とうに命を亡くしているのに、子宮の中に存在している状態をこう呼びます。感染症にかからないために、入院して子宮内除去手術をしてもらうか、経過をチェックしながら自然に出てくるのを待つという事もあります。
③不全流産
不全流産と言われるのは、出血が見つかった時に、子宮の中にあるものが併せて排出され、一部分が取り残されてしまう事を示します。子宮内除去手術によって残存しているものを除去します。
④完全流産
完全流産については、子宮の中にあるものが何もかも流れ出てしまう事を示します。陣痛と変わらない激しい腹痛を伴います。
⑤進行流産
子宮口が開いてしまって、流産が起こってしまう事をこう呼びます。最後には不全流産か完全流産のいずれかになって、治療法については、子宮内除去手術、あるいは経過観察のいずれかになると思います。
⑥化学流産
化学流産というのは、受精は行なって妊娠検査薬によって陽性が出たにもかかわらず、着床が長い期間続かなかった状況をこう呼びます。女性が知らないうちに流産しているケースもたくさんあり、治療法等は無用になってしまいます。
6.流産を予防するためには
惜しくも、妊娠初期に確実に流産を防止するやり方はありません。これに関しては、妊娠初期の流産の背景が、胎児側の発育のトラブルにあるが故なんです。しかしながら、妊婦さんも可能な限りの防止法は、妊娠初期から注意しておいた方が良いですね。なので、以下のことに気をつけてほしいと思います。
● 飲酒、煙草を控える
● カラダを冷やさない
● 胎児の細胞分解を活性化させ、成長をサポートすると言われる葉酸を口にする
● 薬の力を借りるまでに、絶対にお医者さんに確認する
● ストレスを貯めないで、異常があるようならためらいなく病院へ行く
7.流産をしてもまた赤ちゃんは授かる
妊娠初期の流産は、可能性的に10~15%と、かなり厳しいデータが出ていて、決してレアなものではないのです。流産した場合、つらい気分になって、弱気になったりすることは言うまでもありませんが、そんなに自分自身を責め過ぎないということも重要な点だと思います。流産を乗り越えて、それから赤ん坊を授かる女性は本当に多数います。そして、妊娠している時に流産を心配しすぎることも、ストレスが蓄積されてしまいますから、可能な限り心が平穏な毎日を過ごせると望ましいですね。